ねこうさぎ

チラシの裏で、やる気は常にマイナス方向。テンションは低めでお送りしております。

キョウキ

一般的な感覚だと多分きっと概ね不快になると思う錯乱文。
久しぶりに赤い色をしている。
ついでに読みやすさとか一切考えていない。

「不快になった!」
とか言われたくないので、基本的には見ないのをオススメする(笑)
「ならなんでブログに載せるんだ!」
と言うのは、まぁ…そういう心理だ。
ある種の病気だ、あえて突っ込む必要もないほどの。

中身は、うさぎside1号室のもの。
誤字脱字は文法間違い等々はいつもの事いつもの事。。。

++最初の予定では穏やかだったのに・・・++

何時の頃からだろう。
この手はそれ以外の事を忘却し、まるで・・・そうだと決められたかのように、一定の間隔で本の頁を捲る。
頁に落されるその瞳は、書かれている文字を捉えない。
それだけの事を繰り返す日々が、もうどれだけ続いているのか、それも解からない。

自分世界はこの部屋と、薄い壁で隔たれた隣りの部屋に、隣りの部屋に続く廊下。そして、窓から望める僅かな風景。
虚の感覚に小さく息を吐き出し、窓の外に視線を移す。
もうずっと、壊れたあの日から止む事を知らずに降り続ける雪。それだけで心を削り取り、緩やかに狂わせて行く静寂。
甘い狂気に心を浸しながらもそれに全ては許さず、まだ欠片ほどの自分が残せているのは、狭いこの世界の中に住まう、唯一の住人の存在があるからか・・・
その存在すらも、もしかしたら自分の生み出した夢なのではないかと、感じる事がある。

  望めば手のとどく場所に、
  望まねば手のとどかぬ場所に・・・

何かを強く求めながら、その身体を傷つけ、血に染まりながら、何も映さない虚ろな瞳で自分を見上げる。
世界に緩やかに殺され、壊れていく瞳に、自分の姿も映らない事に、ある時、気がついた。

  求められているのは・・・ではない。

その瞳を見るたび、自分を崩されるような感覚に捕らわれていく。そしてまた、支えられているような感覚をも得ていた。
それはとてもイタミを伴うもので、徐々に疎ましさが心の中を満たしていくようになった。

疎ましさに心を許してから間もなく、この世界からその存在は消えた。

…望みは叶えてあげるよ

と呟く声をその時、聞いた気がする。

世界に独り残された。
変化を許さない時は、喪失感をこの手に、この足に植付け、それは日に日に成長し身体にきつく絡み付いてくる。
締め付けられる痛みに耐えられなくなり、失った存在を強く望んだ時、あいつはふらりとこの狭い世界に舞い戻って来た。
この世界に舞い戻ってきたとは言え、まるで捨てた事を責めるように、この部屋に姿を見せる事は少なく、接点と言うものも殆ど感じられらない。
たとえ姿を見せたとしても、その瞳に自分は映らない。
また、何かに呼ばれるようにふらりと外の世界へ出てしまう事も多い。
だからかもしれない。存在を取り戻した今も、あの頃に植えられた喪失感は、心を、この身体を甘く締め付けている。
そして・・・再び失う事への恐怖を、抱かずにはいられないのだ。

ある種の欲望は、何よりも強くココロを蝕んでいく。

  ずっと、この手の内に。
  ずっと、誰の手も届かぬトコロへ。
  ・・・そう、誰の目に触れさせないで。

抱くべきではない暗く濁った感情は、狂気の色へと思考を染めていく。
失う恐怖があるのなら、それを奪ってしまえばいい。
予め、外に対しての存在を消してしまえばいい。
そうすれば、不安も恐怖も消え去り、安らぎを得られるのだ。
まるで小鳥を飼うように部屋にカギをかけ、忘れられた存在にしてしまおうか・・・
・・・いや、それだけでは足りない。
その手が、その足が、ツバサがあれば、カギを外す事だって、カゴから逃げ出して外の世界へ飛び立つ事だって出来るかも知れないのだ。
だから、それでだけでは足りない。

  それならば・・・
  世界が触れられない存在に・・・

手にある本を机の上に置き、引き出しを開き、内側に閉じ込めていたキョウキを再び手にする。

      それは、ダレのキョウキだったのか・・・

鈍い銀色が残された正気を吸い上げ、輝きを増していく。

  満ちていく狂気に、身を委ねてはいけない。

さぁ、それを手にして・・・安らぎを得る為になにを成せばいい。

  それによって得られるものは、なにひとつない。

鈍く輝く銀色を手に隣りの部屋へ。そして柔らかい毛布に包まり静かに眠る姿を見下ろす。

  だからこれは、望まない事。

何処か遠へ行ってしまう事が不安ならば、歩むその足を・・・

  選ぶ事のない選択。

      これは、失う事の為に託されたのではない・・・

振り上げた凶器は、躊躇う事なく振り下ろす。
深く肉に食い込む感触が、凶器をきつく握る手に伝わる。

      『・・・助けて』と、確かに言われたから

根元まで深く突き刺さったそれを引き抜き、もう片方の足にも突き刺す。
この程度ではまだ歩けるかも知れないと、何度も、何度も。繰り返し、繰り返し・・・

      だから、壊れないように内側に閉じ込めた

  選ぶ事はない、そのはずなのに何度も・・・

機械的に凶器が振り下ろされる度に溢れる赤の、暖かくてぬるりとした感触が、両手に沁みこんでいく。
どんなものよりも温かくて、ココロを満たしていく。
その温もりにココロを許し、凶器を落してしまわないようにと、握る手に力を込めなおした。
すらりと伸びていた足を赤に染め上げて、視線をゆっくりと移す。
・・・その腕は、細くて綺麗な指先は、自分以外の何かを求める事が、あるのだろうか。

ならば・・・その腕を。

再び、奪う為に凶器を振るう。
少し色素の薄い肌が、白いシーツが、流れ舞い散る赤色でさらに染められ、犯されていく。
細い何かが転がり、床に落ちた音がした。

      キョウキから、守りたかったのだ

肉に突き刺さる音で目を覚ました瞳が、自分を見上げている。

そこには、やはり・・・

何かを思う間もなく、狂気は振り下ろされていた。

      それを願っていたはずなのに・・・

  また・・・繰り返して。

面影が残らぬようにと、繰り返し振り下ろす度に飛び散る赤い色と、響く濡れた音。
優しい音楽を奏でながら、鮮やかな花が咲き乱れる。その心地良さに、安らぎを覚えていく。
これで最後になるように・・・と、胸に深くキョウキを突き刺し、赤に染まった姿と自分の両手を見下ろす。
もとの姿を失い、自分の内側だけで再生される存在になった事に満足し、顔を歪める。

  あいつの存在が、自分の内側を狂気で満たしていき
  
  
--ガタン--


  あいつの存在が、自分を狂気の内側から引きずりだしてくれる

突然、隣りの部屋から大きな音が響いてきた。
それに身体が反応し、手にしていた本が音を立てて床に落ちる。
微かに震えている両手は、赤色に染められていない。
あの生暖かさと、ぬるりとした気持ちの悪い感触は、確かなモノとして強く残っているのに。

  もしも選択された未来があるなら

・・・頭を振って、なかった事を忘れる。ありもしなかった事など、思い出したくはない。

  その時、欠片ほどの自分も・・・消えてなくなるのだろう
  
なかった事を振り払った空白に、既に起こってしまった事が蘇える。

響く物音。
血に染まる両手。
・・・見上げる瞳。


あいつが自分自身を壊していく姿が再生され、たまらなく不安を掻き立てる。
たった今、自分が自分の為に壊したばかりだと言うのに、あいつが自身を壊す事を想像して、不安を感じるなんて・・・
そこまで思って、じっとしてなどいられない。自分の部屋を出て、隣りの部屋の扉の前に立つ。
見たくない現実を再生させ、ドアノブにのばした手が開けることを躊躇う。
頭を降り、過ぎ去った過去を殺し、殺し震える手で開くと、あいつはベッドの横に広がった毛布の上で、ウサギのぬいぐるみと共に仰向けに転がっていた。
思わずその名前を呼んでみた声は、すぐに部屋の静寂に掻き消えた。
名前を呼ばれたからか、半身を起してこちら側を見たその瞳には・・・
それはすぐにそらされ、毛布とウサギと共に緩慢な動きでベッドの上に這い上がる。そしてウサギを抱いて毛布に包まると、またこちら側に視線を向ける。
何も言わずにこちら側を見る瞳に、部屋の扉を開けた事に対して、何か理由を求められている気がする。
だから、すぐ側まで歩み寄って、ひとつの型として、物音の事を訊いた。
でも・・・型だから、返ってくる答えは決まっている

--なんでもない--

抑揚なく紡がれ、零れる言葉をもう何度、聞いた事だろうか。
・・・身体を見る限り、怪我をしている様子はなかったので、そうか・・・と、何時ものように返して立ち去ろうとした。
扉の側まで来た時、背後で小さく呟く声と、床に何かが落ちる音が響く。
振り向けば、表情に何も映さず、毛布と共に床に落ちているその姿・・・
床を見つめたまま何度か瞬きをすると、その顔のままこちらを見上げて、右手を差し出す。
細くて綺麗な指が、自分に向かってのばされている。
それをただ見つめていると、唇が微かに動いて、名前を呼ばれた。・・・気がした。
差し出された手を取ると、まるで何処かへ行ってしまう人を引きとめようとするみたいに、繋いだ手に力が込められる。
 とどいた・・・
零して嬉しそうに微笑んだように見えたのは一瞬で、それはすぐに隠れてしまう。
助け起して欲しいわけではなさそうなので、すぐ側に膝をついた。
すると、繋いでいた手は解かれ、頬にそっと重ねらる。それは、とても温かかった。
 涙・・・
言われるまで気がつかなかった。自分の頬が濡れている事に。
多分これは、殺してしまった事への後悔の・・・
 痛い? 苦しい? さびしい?
きっと、どれも正解で、だから首を横に振った。
酷い事をした事を、自分の中のキョウキを、思い描いてはいけない。見せてはいけない。知られては・・・いけない。
それは深い所に沈めて、聞かれてはいけない。
思えば思うほど、心の中だけで謝罪を繰り返すほど、その思いは雫となって再び溢れ出す。
零れる雫を、細い指が優しく救う。
 きかないよ・・・それは、とても酷い事だから
悲しみの色を映して、静かに空気を振るわせる。
誰かの思い、心の声が聞えると言うのは、どんな感じなのだろうか。
ききたくなくても聞える、他者の内側。
だから何時でも、閉ざして。
・・・それを聞く事を酷い事だと言うのなら、本当にきく気はないのだろう。
悲しみを表情に映しているのを前に見たのは、何時だったか・・・
 だから、言ってくれないと・・・解からないよ
・・・何故だろう、側に居ても関わろうという思いなど、殆ど感じる事はなかったのに。
自分が望んだから・・・だろうか。
それならば今、目の前にあるのは夢か、それとも・・・
不安が身体を支配し始め、先ほどまで繋がっていた手を、思わず掴んだ。
この温かさが、本物だと思いたい。
 ここに、いる・・・よな。
不安に震える言葉に首を傾げて見せたけど、2度瞬きをして、小さく頷いてくれた。

ただそれだけで・・・
[ 2007/09/26 00:46 ] 歪んだ呟きマイナス |
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
ぷろふぃーる?

さーき

HN:さーき
種族:忘却人間(Lv74)

つぶやき