ねこうさぎ

チラシの裏で、やる気は常にマイナス方向。テンションは低めでお送りしております。

自分の音は聞こえません

歪んだ言葉を置いていきます

変わらずに読みにくい文章になっています。
自分でイメージがしきれない。
言葉がわからない。



『迷子だった』


暗い場所。
目の前を黒い影たちが通り過ぎていく。
その流れに足を踏み入れたら、小さな自分なんて流されて消えてしまいそうだった。
ココにいつからいて、この光景を眺めているのか、思い出せなくなっている。
長い間ココにいるきがするのに、誰も自分の事には気がつかない。

誰ともつながっていない。
それは、いないのと同じ

楽しそうに話しながら、通り過ぎていく黒い影たち。
どこかに向かうために、急ぎ足で通り過ぎていく黒い影。
手元で何かをいじりながら、ふらふらと通り過ぎていく黒い影。

誰かとつながっている。
それは、いる事を認識されている。

自分の中から冷たいものが流れて落ちていく。
意識を削りながら。
記憶を削りながら。
身体を・・・
ココロを・・・

寒い気がする
寂しい気がする

流れ落ちたものが世界に溶けて広がり、消えていく。
自分はどんなカタチをしていたのか。
それを思い出せないのか、最初から知らなかったのかもわからない。

おやすみなさい・・・

見えているものも捨てて、すべてを黒くしてしまおう。
深くて暗くて、重たくてふわっとしている。
そんな感覚が自分を包んで消えようとしていた・・・
けれど、温かいものに触れられ、まどろみの中から引き戻される。

黒い影がひとつ、目の前にしゃがんでいた。
黒い服に、黒く長い髪。
自分の頭を撫でている。
とても優しい手。
触れられている場所から、自分の輪郭が戻ってくる。
散らばってしまった、自分が戻ってくる。
優しい腕に抱き上げられて、温かさを思い出す。
その温かさが、悲しさと寂しさを連れてきた。
いろいろなキモチがココロの中で混ぜられている。

泣いているのかな・・・
でも、これは今の自分?

泣いている自分を黒い影が優しく撫でてくれる。
その優しさのなかに、混ぜられるキモチも、重たい意識も手放した。
途切れる意識の中、やさしい声を聞いた気がする。


明るい場所。
人のカタチをしたものが、何かを見ていた。
ぼんやりとした意識でそれを眺める。
今までいた場所ではなく、初めての場所。
人のカタチをしたものが自分のほうを見た。

人のカタチをしてるけど知らないもの。
だって・・・あんなものが付いてる人なんていなかった。

人のカタチをしたものが話しかけてくる。
言葉はわかる。
自分の中にも言葉があった。
でも、声が出なかった。
声にしようと思った言葉は、闇の中に落ちて消えていく。

しゃべる事を思い出せないんだね。

それを知っていたのは、自分ではない気がした。
自分だけど自分ではないもの・・・
その記憶があれば、それは自分なんだろうか。
人のカタチをしたものは声以外の会話方法を知っていた。
優しい手をした黒い影の事を訊いた時、不快な音が聞こえた。
ザラザラとしてうねっている、歪んだ音。
人のカタチをしたものから聞こえる。
初めて聞くような、とても怖い音。

ここにいたくない・・・


怖い音から逃げ出して、知らない場所をさ迷っていた。
静かな場所で耳を澄ます。
誰もいないけれど、誰かがいる音が聞こえる。
白い公園の白い水路、崩れた柱。
その近くに黒い影が見えた。
黒い服に、黒く長い髪。
それは自分に気が付いても、興味なさそうに目をそらす。
記憶がぼんやりしていて、あの時の事が思い出せない。
同じような気がするのに、とても冷たいものに見える。
近くまで行っても、まるで何もないように、意識が自分には向かなかった。

言葉があるのに、声がない。
言いたい事があるのに、どんなに記憶を探っても声が見つからない。
声がなければ、しゃべる事も思い出せない。
今ではない自分が零れてくるけれど、欠片ばかりで欲しいものが見つからない。
植物たちが風に撫でられ、気持ちよさそうに揺れている。
そこには繋がりがあるように見える。
自分は伝えたい言葉も声にできず、ただそれを眺めている。
・・・この気持ちはなんだろう。
嫌な音が自分の中に生まれてきていた。
人のカタチをしたものから聞こえてきた音に似ている。
自分の中から聞こえてくる音が、自分のココロを傷つけていく。
傷ついたココロが、透明な雫を零した時、温かいものが頭に触れた。
黒い服、黒く長い髪の人が、自分の頭を撫でている。
あの時と同じ、温かくて優しい手。
温かさが、自分の中の嫌なものを溶かして消してくれる。
穏やかなもので満たされていく。

名前は?

あの時聞こえた気がする優しい声と同じ声。
名前・・・を思い出す。
たぶん・・・きっと、コレが自分の名前だと思うものを。
でも、声が・・・思い出せない。
思い出せないなら・・・
しゃべり方も・・・

れ・・・い・・・

思い出せないから、自分の声を作り、しゃべり方も作る。
黒い人は少し寂しそうに優しく微笑み、名前を呼んでくれながら自分を抱き上げる。
名前を呼んでくれるのが嬉しかった。
この場所に存在してる事を感じられるようで。
ここにいてもいいよ、と言ってもらえたようで。

なま・・え・・は?

自分もこの人の名前を知りたいと思った。
名前を呼びたいと思った。
黒い人はミズキという名前を教えてくれた。

・・・み・・・みぃ、み・・

上手に声にならない。
伝えたい事も言葉も声にしようとすると、まとまらずに絡まって落ちていく。
何か伝えようとしている自分を優しく撫でながら、言葉を待ってくれている。
ミズキから優しい音が聞こえてきて、それに耳を済ませると、とても落ち着く。

みぃ・・・あり・・・が・・・と・・・

撫でてくれたのが嬉しかった。
優しく抱いてくれたのが嬉しかった。
それで、自分のカタチを思い出せたから。
あの時、あのままだったならきっと。

今があるのが良い事なのか、今がない方が良かったのかはわからないけれど、でも・・・

今、ココに自分があるのは嬉しい。
優しい音を聞かせてくれる人に会えたのが嬉しい。
だから、これからを良い事にしよう。

そして、滲ませる寂しさを少しでも温かくしたいと・・・



「なぜか言えない」

み・・・みぃ・・・みぃ

ミズキ

みぃ・・・み・・・

みぃでもいいよ・・・
[ 2016/03/27 19:24 ] 歪んだ呟きマイナス |
ぷろふぃーる?

さーき

HN:さーき
種族:忘却人間(Lv74)

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