ねこうさぎ

チラシの裏で、やる気は常にマイナス方向。テンションは低めでお送りしております。

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罪と欲望と

桜が咲いたらお花見したいね。
一人でするのもいいけど、二人で見るのもいいと思うよ。
仲良く見てもらうのが嬉しいのです。
そして、たまにでもいいから、ボクの事も思い出してください。

この先にある言葉は歪んでおります。
それにより気分を害したとしても、責任は取りません。
読みやすさも考慮してません。
いろいろ省いてもあります。

自分の中にいる子達のひとつのお話です。




『どこかのさくら』


雲ひとつない青い空。
優しく吹く風が穏やかに時間を零す。
高台の上、風に長く伸びた髪を揺らしながら、満開の桜が咲き誇る公園を見下ろす。
淡い色が公園を包んでいた。
何を考えるわけでもなく、その美しさをただぼんやりと眺めていると、足元に何かの気配を感じた。
黒い色をしたウサギが足に体を摺り寄せ、夕焼け色の瞳で見上げる。
「みぃ」
鳴き声のようにも聞こえる小さな声を黒ウサギが発した。
「玲・・・どうしたんだ?」
黒ウサギの玲を抱き上げ優しく頭をなでる。
「みぃを探し、来たの」
玲はみぃと呼んだ人の胸に鼻先を押し当てながら言った。
「なにかあった?」
「ない!近く来たかった、だけ」
「そっか・・・」
「ねぇ、これなに?」
と言って、高台に植わっている一際大きな桜の木を見上げる玲の瞳は、脅えたような色をしている。
ほかのどの桜よりも太く、大きく枝を広げ、濃い色の花を咲かせていた。
「桜って言うんだよ」
「さくら・・・きれい、だけど、少し怖い」
玲は桜から逃げるように、みぃの胸に顔を埋める。
「怖い?」
玲の言葉を聞いてみぃは少し驚いたような表情を見せ
「そうか」
と呟いて桜を見上げたその瞳は、どこか寂しそうだった。
「みぃ?」
呼びかけられ自分を撫でてくれるこの人は、優しく微笑んでくれるけど、でも・・・どこかいつも寂しそうで、玲は少し心の中がひんやりするのを感じた。
みぃは近くのベンチに腰を下ろすと、膝の上に玲を乗せ、再び大きな桜を見上げた。
「ここの桜は、人の罪を吸い上げて花を咲かせるんだ」
「つ・・・み・・・悪いこと?」
「そう。その罪が深ければ深いほど、多ければ多いほど、咲く花は美しくなる」
みぃは桜を見上げたまま抑揚のない声をを零す。
「今年もとても綺麗だし、玲はよく聞こえる耳があるから、何か聞こえるのかもしれないね」
耳を澄ますと少しだけ嫌な感じがする声が聞こえて、でもそれは花の綺麗さにかき消されていく。
この場所は、人ではない者たちが訪れる事が少ない場所だった。
「罪を花にしてその穢れを清め、散りながら浄化する」
風に遊ばれながら地面に落ちた花びらは、手のひらに落ちた雪の様に、地上の温かさに溶けて消えていった。
「悪いこと、消える?」
「消えるわけではないよ。花が美しく咲くのは、罪を忘れてはいけないって戒めだって言うし、何かのカタチでは残るみたいだよ」
「ん?みぃの話、難しい!」
玲は前足でみぃの太ももをタシタシ叩きながら不満そうな声を出した。
「・・・難しいか」
そんな玲を見て、みぃはいつもより少しだけ温かい微笑を浮かべる。
みぃの微笑を見て玲は自分の心が温かくなった感じがした。
でもそれは、微かに聞こえる声に奪われていく。
「ねぇ、みぃはここ、怖くないの?」
「怖くないよ、見ていると落ち着くかな」
「おちつく・・・?」
そう言われて桜を見上げても、玲にはその気持ちがわからなかった。
微かに聞こえる声と綺麗な桜の花、やっぱりどこか怖い感じがする。
「でも、少し悲しくもなるかな」
「どうして?」
「自分の中にも罪があるから・・・かな?」
「みぃは、悪いこと、した?」
「・・・したよ」
みぃは桜からも玲からも目をそらし、すべての色を消して呟いた。
「ふーん、でも玲には関係ないか。玲のみぃは優しい、でいい」
罪があると言われても、玲はそれに興味は持てなかった。
それはきっとずっと昔の事で、今の事ではないのだろうから。
「その優しいのが嘘かもしれないよ?」
玲の鼻先を突きながら、みぃがいたずらっぽく言った。
みぃが人がいるところでは表情をあまり見せず、他人と必要以上に関わらないのを玲は知っている。
理由までは知らないけれど、そんなみぃが、たとえ寂しそうでも、表情を見せてくれるのは嬉しかった。
「嘘はわかる、優しいみぃは好き」
「ありがとう」
偽りのない好意の言葉を花のように咲かせる玲に、みぃは笑顔を見せる。
でも、どうせなら、もっと笑って欲しいと玲は思った。
寂しいを少しでも・・・
そんな事を思ったとき、桜から僅かに聞こえてくる声が、先程までと少し違って聞こえたのを玲は感じた。
「玲?」
玲はみぃの膝の上から飛び降り、大きな桜の木の側まで行くと、根元を前足でタシタシと優しと叩く。
それに何かが答えるように強い風が吹き、桜の木が枝を揺らした。
風に花びらが舞い、地面に落ちて溶けて消える。
玲の中から、怖いと感じたものも溶けて消え、ほんのりと温かいものが生まれるのを感じた。
「お話して、おなかすいた!」
「じゃあ、帰ろうか」
「かえる!ごはん!」
玲は抱き上げられながら、みぃの温かさとこの場所の優しさを感じていた。

帰り際、一度だけ振り返って大きな桜を見上げたみぃは、小さな言の羽を桜に届ける。
それに答える風に乗せられた桜の言の葉が、一人と一匹に届けられた。
それを聞いてみぃはとても嬉しそうに微笑む。
「またここ、くる」
「そうだね」
満開の桜たちが、自分たちを知る誰か達に忘れられないようにと、精一杯に咲きながら、帰っていく二人を穏やかに見守っていた。




爺様に聞いたけど、最初は高台に1本だけしかなかったらしいよ。
人が増えて、罪が増えて、あの1本だけでは抱えきれなくなり、桜は増えていった。
・・・今でも増え続けているらしいよ。
そう言えば爺様、あの桜はとても美人だった・・・とか言ってたような。

じじー!いつから、いるんだ!!

・・・・・・わからない
[ 2016/03/22 00:48 ] 歪んだ呟きマイナス |
ぷろふぃーる?

さーき

HN:さーき
種族:忘却人間(Lv74)

つぶやき


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